【映画雑感】Lixo Extraordinário(英題:WASTE LAND、邦題:ごみアートの奇跡)を観て
「この人、すげーなー」の一言。
何が凄いかは、この後の感想から読み取ってもらいたい。
まず、この映画を知らない人は以下のリンクから概要を見てもらいたい。
ブラジルに留学していた時からずーと見たいと思ってたが機会が合わずに見れずにいた。今回は、なんとドキュメンタリーの主役であり、アーティストであるヴィック・ムニーズ
のトークショーも有るということもあり、この日の予定は空けておいた。
映画を観た率直な感想は
「悔しいし、こいつには今はかなわない」
ということ。
歳も、実績も、経験も、使う言語は多少被ってるけど、何もかも違うのは百も承知。でも、こんな作品を作れるなんてなんという感性・行動力だろうと単純に嫉妬した。もちろん彼だけの力だけでなく、ファベーラの住民や彼の元々の同僚などの力もあったのだろう。が、純粋にすげー、と思う。単なる嫉妬です、ええ。
けど、今の自分だとどれくらいのレベルまで落とし込めば出来るかなーとは考えさせられた。1人でなのか、友達となのか、はたまた見知らぬ人なのか。大学なのか、横浜なのか、メキシコなのか。わからんが、ぼくでも出来ることあるっしょ、と。
映画で最も印象的に残った言葉は
「99 não é 100. 」つまり「99というのは100ではないんだ」。
これは、毎日毎日、山のようなゴミの中からリサイクル出来るものを回収しているおっちゃんの言葉だ。
毎日ずっと拾ってて、この言葉が出てくるって重い。
あんだけゴミの山があって、100個空き缶があって、たったの1つの空き缶が無くなる(リサイクルされる)だけで違うって言い切れるとは。
「大きなことを成し遂げるには、小さなことからコツコツと」
高校のとき、部活で教わった印象的な言葉だが、これに通ずるものがある。
100個という全てをリサイクルするにしても、全ては1個目から始まる。最初が無ければ終わりなんてものも存在しない。
おっちゃんはそんなこと考えて言ってたかどうか、分からんが、僕はそいう風な解釈をした。(まあ、今となってはおっちゃんの解釈を知るすべも無いけど・・・)
学問は分からんが、という前置きがあって話をしていたが、立派な哲学者だよおっちゃん!!
映画全体、というか久々にブラジルを見て感じたのは
「真剣になっても、深刻になるな」
ということ。
やっぱ楽しまないとだめだなー、と。下を向いて考えているだけでは物事進まんし、上手くいかん。どうも日本に帰って来てからシリアスになりがちだけど、もっと気楽にかつ真剣に考えれればなー。
また映画上映後のトークショーでも面白い発言は色々と。
「ごみというのも人間の営みの1つであるが、それは見たくは無いものである。写真のアルバムにはいれたく無いでしょう?」
▶︎写真のアルバムにいれたく無いものを、アートとして成立させて売るあんたは何者だよ・・・。
「この映画が与えた良い影響の1つとして、彼らが単にゴミ拾いをしている人ではなく、カタドールという職業で知れることとなった。今まで光が当たっていなかったところに光が当たるようになった」
▶︎そうね。BBCが取材に来て、英語でもカタドールって紹介されたというくらいだから、全然話題にもなってなかったんだろうな。ブラジルいた時に、存在は知ってたけど職業名までは知らんかったし。
「アートというのは自らの体験と言うフィルターを通して出てくるもので、それは触れることも出来るし、共有も出来る。」
▶︎つーことは何かしらを自分に入れないと、決して出てくることはない、つーこった。インプット大事。
なーんてことかな。
あと全体が終わった後に、ヴィック・ムニーズさん本人と会場の外で話を出来たのでこんなことを聞いてみた。
「Qual é diferencia entre deseño y arte?」
「デザインとアートの違いって何ですか?」
ということ。
回答は
「deseño é um parte de arte ne. e deseño processo mais rapido.」
「デザインはアートの一部で、作品をより早く進めることが出来る」的な。
本当はもうちょい「絵画が〜」とか説明されたけど、覚えてないっす。
ようはアートの中でも技術的・機能的な部分を担うのがデザイン、
というのが彼の認識なんだろうか?わからん。またじっくりと話したいなー。
あ、この映画のDVDが11月に発売するそうなので、興味を持った人は買って観てみてください。